人間と魂について

<ネタバレしてます>

再び『最強のふたり』について。
ドリスが障害者であるフィリップに遠慮せずにクレームをつけること。例えばフィリップの養女のミドル・ティーンの女の子について、「彼女は俺たち世話人への敬意というものがない。俺たちのことを犬かなんかだと思ってるんだ。しつけ直す権限をくれ。俺はあんたの手足だよな。あんたの代わりにぶん殴ってやる。車椅子で轢いてやれ!」こんな風に、怒りを抑えることなくドリスがフィリップへクレームをつけるとき、無意識にかもしれないが、不治の障害を超えてしまっているのだ。この話し合いをしている時点では障害のある・なしは、もはや問題になっていない。これは人間にしか出来ない不幸への戦い方だ。気品のある、良い戦い方なのだと思う。
(フィリップはフィリップで金持ちらしく戦う。障害を負うきっかけになったパラグライダーを介添え付きで再び楽しむ。ヤケだ!笑)
こういった内容が高いレベルを保ったエンターテイメント作品として提示されている。

音楽も Earth,Wind & Fire、Terry Callier の"What's Color of Love"からのナンバー、ヴィバルディやバッハなど、好みの曲多く嬉しい。